欠損とは?
歯並びが悪い事で引き起こされた様々な歯科的問題(欠損歯、虫歯、歯槽膿漏、顎関節症、顎の歪みなど)が、すでに起こっている可能性があります。
我が国においては、大規模な統計調査の結果、歯の喪失は、50歳以降に起こっている事が明らかになっております。
原因は、不摂生な生活習慣(食生活、喫煙、不適正な歯ブラシ、ストレスなど)や不正咬合、歯科医院での定期健診定期クリーニングの有無などの他に、加齢に伴う抵抗力、再生力の低下、そして不正咬合による一部の歯への過度な負担や清掃不能箇所の存在などが挙げられます。
しかし、この年齢の方が、いきなり矯正治療を始めるのは大きなリスクがあります。
大切なことは、現在起こっている歯科的問題を解決してから、矯正治療をはじめることが重要です。また、欠損歯がある場合には、矯正後に補綴治療(ブリッジ、インプラント、義歯など)が必要となります。
大切なことは、矯正治療を開始する前に、最終的な補綴物のデザインを綿密に決定しておく必要があります。矯正治療後に、インプラントなどの処置を行う先生に初めて受診した結果、インプラントができないといった予期せぬトラブルが発生する事も少なくありません。
インプラント治療とは?
インプラント治療は、近年の歯科医学の中でも最も大きな発展を遂げた治療です。もし、私たち歯科医師が歯を失うことがあれば、間違いなくインプラント治療を選択することには疑う余地はありません。
その理由は、まず、他の治療に比べて圧倒的に信頼性が高く、長持ちする治療であるからです。
インプラント治療は日進月歩を遂げ、今やより安全・確実な歯科治療として定着しています。しかし、いかに技術が発展したとはいえ、現段階では術者やクリニックによって技術に大きな違いがあるのも事実です。
インプラントの
寿命・耐久性
デンタルインプラントの平均寿命は10年〜15年と云われております。
しかし、メンテナンスや体の健康状態等の良好な場合には、20年以上も長持ちする方もいらっしゃいます。また、噛みごこちや違和感は自然です。
では、他の代替の治療法と比較した場合にはどうでしょうか。
ブリッジの特徴
近年は、インプラントが何らかの原因で受けれらない場合に行う場合が多いです。
両隣の歯を大きく削る事が不可欠です。通常2本で3本分の負担を受け持つことになるので、さらに抜歯が必要な事が多く将来的には入れ歯になる場合が少なくないです。
保険内でも行う事が出来るが、予後(再感染リスクが高い)や清掃性、審美性が著しく低下すると云われています。
入れ歯の特徴
近年は、インプラントおよびブリッジのいずれの治療法も受ける事が出来ない場合に行う事が多いです。
上記の2つに比べると違和感や噛む力は大きく低下します。
しかし、精密機能義歯など保健外治療を用いる事で従来法に比べて近年は大きく機能・審美ともに改善する事が出来ると云われています。
※いずれの治療法も治療結果などには個人差があり、精神的要因(患者様の性格や過敏症)・全身状態などの影響を大きく受ける事が近年問題となっております。
これらの問題から治療が適応出来ない場合や担当医の判断で高次医療機関をご紹介させて頂く場合があります。
インプラントのメリット
- 他の治療法に比べ比較にならない耐久性がある
- ブリッジや入れ歯に比べて、臨在歯を削る必要がないだけでなく、高い咬合支持能力によって残存歯の咬合負担を軽減させる事で残存歯を延命させることができる
- 入れ歯に比べて非常に快適で、自分の歯に近い感覚で食事が可能である
- 入れ歯に比べて審美的である
インプラントのリスク
- 外科手術が必須である
- 治療期間が数ヶ月から1年以上かかる場合もある
- 一口にインプラント治療といっても、様々なブランドが存在しており、手法も様々で見えない部分にも手間やコストがかかりインプラント治療費には幅があり、安価なインプラントにはリスクが伴う
- お口の中は、一単位で考える必要があるので、インプラントを行う部位だけを考えるのではなく歯周病やその他の歯科疾患や感染管理、咬合負担(かみ合わせ)などへの処置や管理が悪いとインプラント治療がうまくいかない
- 全身疾患や性格・精神状態( 過敏症・適応障害)などが予後に大きく影響する
- 喫煙者においては、原則 禁忌である
- 外科処置であるので医師や医療機関による少ないくない技術差が存在する。特に骨や歯茎が少ない部位のインプラントは対応できるクリニックは意外に少ない
- インプラント治療は日進月歩であり、最新の医学情報(論文)は海外から発信される事が多く医師や医療機関によって知識レベルの差も大きく存在する
インプラント治療の費用
インプラント一本のコストは、40万円〜です。インプラント治療を行う為には、インプラント検査(CT検査・ステント検査等)や骨が不足している場合には、歯周再生術・骨増生術が別途必要(5万〜)となる場合もあります。
また、インプラント予定部位の保存不可能歯の抜歯が必要な場合には、抜歯と同時に再生術(ソケットプリザベーション)処置を行う事で低侵襲で骨の増加を行う事が可能な場合があります。
>インプラント+
矯正治療の症例
case症例1
初診時年齢 50代 女性
奥歯の欠損があり矯正治療とインプラント治療をご希望で当院へ来院。
インプラント治療と矯正治療の両方が計画されている場合には、治療を開始する前に矯正とインプラントの両方に高度な専門的治療計画が求められます。
本ケースでは、インプラント治療を矯正治療開始前から計画することで満足度の高い治療結果を得ることが出来ました。