上顎前突とは?
上顎前突とは上顎が下顎よりも出ている状態、いわゆる出っ歯の状態をさします。
しばしば、欧米では日本人の典型的な歯並びとて風刺画にされることもあります。
原因
原因としては、遺伝的要因以外に幼少期の指しゃぶり、舌癖、口呼吸、など様々な要因が複雑に関与していると考えられております。
また、上顎前突には、歯性、骨格性の2種類に分かれており、歯性は、上の前歯が外側に傾斜している状態で上下の顎の大きさには異常がない状態をさします。
一方、骨格性は上顎の位置自体が前に位置しており、多くは歯性の問題も同時に起こっていることが多いです。
また、上顎の位置や大きさが正常であっても下顎が小さい事で相対的に上顎前突を呈している場合もあります。
さらに、隠れ出っ歯と言うべき状態の出っ歯は、骨格性に上下の顎の相対的位置関係で上顎が出ている場合でも上顎前歯の角度が上記とは逆に内側に傾斜していることもあります。
このような出っ歯を矯正学の専門用語ではアングル2級2類と呼ばれます。
将来のリスク
上顎前突の多くのケースでは、前歯が噛み合っておりません。奥歯が常に当たっているために、開咬と同様に奥歯に負担がかかり歯周病等で50歳前後に失う危険性があります。
また、口が閉じづらく口が乾きやすく口腔内の免疫が低下することで虫歯や歯周病になりやすいことも考えられます。
さらに、上顎の前歯をぶつけるケースが多く外傷により前歯を失う事もしばしばあります。
また、この画像の隠れ出っ歯(アングル2級2類)では顎関節症になりやすいとの報告もあります。
上顎前突に関する
よくある質問
矯正治療の費用は、見た目の酷さと必ずしも一致しません。正式な見積もりは、精密矯正検査後にはっきりしますが、口腔状態やご希望の矯正装置によっても異なります。
まずは初診相談をご利用ください。
状態によっては、抜歯を併用しなければならない可能性もあります。
しかし、口腔状態によっても治療方針は上顎のみ抜歯、上下抜歯、下顎成長促進、外科手術併用など様々なパターンが考えられます。
当院では、スクリーニングによる虫歯、歯周病等の検診、精密矯正検査を行いオーダーメイドの治療計画を立案します。先ずはお気軽に初診相談にてご相談ください。
結論は、もしあなたが歯の健康を心配で“将来、入れ歯にはなりたくない“歯を出来るだけ残したい”と考えるのであれば、たとえ健康な歯を抜歯してでも矯正治療を行う事をお勧めします。
健康な歯を抜歯すると勿体無い、自然が一番と思われる方もいるかもしれませんが、それは大きな誤解をしている可能性があります。
我々人類のアゴの大きさ・形は進化によって変化しております。
しかし、歯の進化(歯の数・形・大きさなど)は歯胚(歯が生える前のの種みたいなもの)がアゴの骨の真ん中にある為に、十分な環境変化を受けることが出来ずにその進化がアゴの骨に比べて遅れているといわれております。
また、歯の数や形も実は、アゴの進化に遅れながらも数は少なく、形は小さくなる傾向が統計学的には表れております。
しかし、アゴの進化と歯の進化のタイミングや程度が必ずしも一致しておらず不正咬合が発生します。
矯正の抜歯では、実は本来無くても良いと考えた歯を第一選択して抜歯します。
また、結果的に抜歯矯正によって“機能している歯”(きちんと咬合し活躍することが出来る歯)は逆に増えます。
さらに、日本歯科医師会が高齢者の歯の健康の目標としている8020(80歳で20本以上自分の歯を残しましょう)は、たとえ抜歯矯正で一般的に行われる上下2本ずつの抜歯(合計で4本、親知らず含めると合計8本)を行なったとしても、24本は残る計算になります。
このような抜歯矯正は、今から100年以上前(インプラント治療は30年前から普及)から行われて近代矯正治療の主流の考えとして世界中で行われている確かな方法です。
以上の理由から、歯を出来るだけ残すことが出来る歯並びは、すべての歯がキチンと機能(それぞれの役割)を果たす事が出来る歯並びを指し、単純にたくさんの歯を持っている事では決して無い事が理解できると思います。
上顎前突例
case症例1
- 初診時年齢
- 30歳
- 主 訴
- 出っ歯・歯周病の改善
- 抜歯/非抜歯
- 上顎左右4番抜歯・下顎1番抜歯
- 治 療 期 間
- 2年6ヶ月
- 費 用
- 100万円
- 治療の
リスク
及び副作用 - 歯の移動による痛み
装置が粘膜に当たることによる口内炎
ブラッシング不良による虫歯・歯周病の発生
- 治療内容/
装置 - マルチブラケット
上下歯周再生治療