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詰め物(インレー)被せ物(クラウン)がある方の矯正治療
溝の無くなっている銀歯は痛んでいる可能性があります。

天然歯
溝がはっきりしており自然な形態です

処置歯
溝が無くなりツルツルで不自然な形態
この写真は、天然歯と処置歯です。天然歯は歯の溝がはっきりしているのに対し、処置歯は歯の溝が浅く、ツルツルの状態であることが見てとれます。上記の処置歯のように、摩耗し、溝が浅くなっていることが確認できた場合、
- 局所的に力が加わっている可能性があり、これは、歯や顎を痛めることがあるので注意が必要です。
- 詰め物や被せ物をすることになった理由として、咬み合わせの問題で歯が悪くなった可能性が考えられます。
当院では歯が悪くなっていた原因を考慮しながら、咬合器や顎運動測定装置という特殊な咬合診断機器を用いて、実際に食事をしているお口の状況まで考えた矯正治療を行います。
矯正治療はフルマラソンです。弱った歯では、完走できません。
矯正治療前に適切なメディカルチェック・事前の処置が必要です
矯正治療は、お口の中全体を健康な状態にする治療です。例えるなら、歯の移動というフルマラソンといったイメージです。
病気や弱った状態の歯をメディカルチェックもせず、フルマラソンである矯正治療を強いるのは危険です。
治療してから時間が経ち、ツルツルに磨り減った被せ物や詰め物の歯は、根の先にばい菌が侵入して病気が潜んでいることがあります。今は目立った症状はなくても、矯正治療中や矯正治療後に症状が再発する可能性があります。
「費用をかけて矯正治療をしたのに、歯がダメになり抜くはめになった。」ということのないように、被せ物や詰め物がある方は入念な検査に加え、必要であればマイクロスコープなどを用いて根管治療を行ってから、矯正治療に入ります。
当院では歯が悪くなっていた原因を考慮しながら、咬合器や顎運動測定装置という特殊な咬合診断機器を用いて、実際に食事をしているお口の状況まで考えた矯正治療を行います。


健康な根を持つ歯

病気の根を持つ歯
骨の透過像(病巣)がある
マイクロCT像で、痛んだ被せ物の歯の根に細菌感染により骨の透過像を呈する大きな病巣が発見されました。たとえ症状がなくても、この状態のまま矯正で歯を移動させることは極めて危険です。
被せ物の歯は、本来の歯の向きと大きく異なることがあります。
知らずに歯を動かすと隣の歯と衝突したり、歯茎から歯が飛び出てしまいます。

左図は、虫歯治療をしていない天然歯です。歯の根に対して、まっすぐに歯冠がまっすぐに伸びています。

一方、本図をご覧ください。この歯は、虫歯治療の後に被せ物を被せています。上の図と比べて、歯の根に対して歯の頭の部分の向きが異なっているのが確認できます。
*被せ物を被せる際に、歯並びをよく見せるために意図的に角度を変えています。
矯正治療では、根の位置(歯軸)から適切に並べて行く必要があります。
これは矯正治療後の安定や歯周病予防においてもとても大切です。


しかしながら、歯並びの悪い方の虫歯治療をしてある歯は、上図の通り、不適切な歯の位置に合わせて修復物で無理やり治療しているため、本来の歯の形や傾きを大きく変えてしまっている可能性があります。



矯正治療前に、歯を動かし終わった後の歯の位置を想定し、本来の歯の形を仮歯などで復元してから矯正移動を行わないと、誤った方向に歯が動かされてしまう危険があります。