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CPC配合マウスウォッシュの効果と正しい使い方

学術活動
2024.09.12

はじめに

近年、口腔ケアの重要性がますます注目されています。今回は、CPC(塩化セチルピリジニウム)を配合したマウスウォッシュに焦点を当て、その効果や使い方についてご紹介します。

CPCとは?

CPCは殺菌効果を持つ陽イオン性の界面活性剤で、口腔内の細菌やウイルス(浮遊細菌)を殺菌・抑制するために使用されています。歯周病の原因となる細菌の増殖を抑えたり、風邪やインフルエンザなどの感染症の予防にも役立つことが知られています。また、CPC配合マウスウォッシュは新型コロナウイルス(オミクロン株を含む)を99%以上不活性化する効果があるとされています。

CPC配合マウスウォッシュの使い方

CPC配合マウスウォッシュの使い方は非常に簡単です。以下の手順で使用してください。

1.使用頻度: 1日1回程度が目安です。過度な使用は口腔内環境を乱す可能性があるため注意が必要で 

      す。

2.適量の使用: ボトルに記載された使用量を目安に、コップに注ぎます。

3.しっかりうがい: 口に含み、30秒から1分程度、喉の奥まで行き渡るようにしっかりうがいをします。

4.吐き出す: CPCは口腔内の粘膜を保護するため、必ず吐き出し、軽く水で口をすすぎます。飲み込まな

      いように注意しましょう。

CPC配合マウスウォッシュの濃度と効果

CPC配合マウスウォッシュの濃度に応じた効果については以下の通りです。

1.0.05%(5倍希釈): 高いエビデンスレベルで効果が確認されています。10mlで2プッシュ(15mlで3プ

          ッシュ)。

2.0.025%(10倍希釈): 高い感染予防効果が期待できます。10mlで1プッシュ(20mlで2プッシュ)。

3.0.0125%(20倍希釈): 最小の有効濃度で、新型コロナウイルスに対して10秒間で98%以上の不活化が

           期待できます。20mlで1プッシュ(40mlで2プッシュ)。

4.0.005%(50倍希釈): 市販されている多くのマウスウォッシュの濃度です。この濃度では新型コロナ対

           策としては不十分ですが、5分以上の作用時間で90%程度の不活化が確認されて

           います。

当院での推奨方法

当院では、高濃度のCPCを長期・頻回に使用することは耐菌性のリスクがあるため推奨していません。

また、治療前にうがいは現在のClのうがい薬0.05%程度の希釈したもので継続し、術後のうがい(低濃度CHX)は1日2〜3回程度(抜糸日翌日までを厳守)し、デイリーケアとしてのマウスウォッシュは原則、推奨しておりません。

もし、行う場合には、低濃度(0.05%以下)を1日1回程度を限度としています。

さらに、当院では、治療前にはエビデンスを踏まえてコロナ10秒間で98%以上不活化に有効で必要十分な0.0125% で術前に必ずうがいをしていただいております。

まとめ

CPC配合マウスウォッシュは、口腔内および咽頭の細菌・ウイルスを抑制する効果があるとされています。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、正しい使い方を守り、ブラッシングやフロスなど他の口腔ケアと組み合わせて使用することが重要です。マウスウォッシュだけに頼らず、毎日の基本的な口腔ケアをしっかりと行いましょう。

【参考文献】

https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/220830_pr2.pdf

https://www.taisho.co.jp/company/news/2022/20220805001069.html

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