マウスピース型矯正装置
とは?
マウスピース型矯正装置の最大の特徴は、ワイヤーを用いずい審美的に矯正治療が行える点です。
また、デジタル技術を矯正治療に最初に取り入れた治療がマウスピース型矯正装置です。マウスピース型矯正装置は、セットアップモデルをバーチャル上で作製した後、CAD/CAM技術で、最大0.25mm動かす毎にアライナーを一つずつ、治療完了までのすべてのアライナーを同時に作製するシステムです。
現在、国内外に類似するシステムが多くあり、世界的に一つの矯正治療分野を作り上げたといえます。
※一般的な治療期間は、1年〜3年(来院回数12〜36回)
しかしながら、セットアップモデルからアライナーを用いて歯を移動させる事自体は、新しいことではなく、しばしば、歯の移動が予定通り進まないことが多いため、ワイヤーの矯正テクニックが必要となることもあり全ての症例に適用できない治療でもあります。
つまり、将来の永久歯が生える場であり支える大切なアゴの発育を健全化する治療をお子様の骨格や歯の状況に応じてオーダーメイドで治療を進めます。
インビザライン完成物は医療機器法対象外であり、医薬品副作用救済制度の対象外の場合があります。
マウスピース型矯正装置の
メリット
- ワイヤー矯正に比べて審美性が高い
- 患者の意思で装置をいつでも外すことが出来る
- 患者に歯が動いて行く状態をアニメーションで見せることが出来る
マウスピース型矯正装置の
デメリット
- ワイヤーの矯正に比べて歯の移動が上手く行えいないことがある
- コストが高い
- 20時間以上の確実なアライナーの使用が必須である
- 治療結果が不十分なケースもあり長期予後に問題が出る場合もある
- 海外で製作されたカスタムメイドの矯正装置であるため、国内の法的問題から患者説明や扱いに十分な配慮が必要である
オーダーメイド
(カスタムメイド)の
矯正装置について
マウスピース型矯正装置はオーダーメイドの装置となります。
オーダーメイド(特別注文)された矯正装置は、1人1人の歯の形に合わせて装置を発注、制作します。従来の矯正装置は、レディメイド品になります。
つまり、大量生産された既製品であるブラケットと呼ばれる装置を使用しています。
オーダーメイドによって作られた医療機器は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)では、医療機器に該当しません。
つまり、インビザラインに代表されるマウスピース型矯正装置における治療の治療結果や治療中のトラブルは、担当する歯科医師に委ねられます。
マウスピース型矯正装置を受ける際、どの歯科医院でも受けても、治療が担保されていることになりません。
最新の矯正治療であるメリットがある一方で、トラブルがあった場合も考慮して、治療をするかしないかを判断しないとなりません。矯正治療に対する専門的な知見、経験を有する歯科医師に相談することが重要になります。
*1“医療機器”としては未だ未承認ですが、材質の認可は下りています。
*2米国ではアメリカ食品医薬局が“医療機器”としても認可が下りています。
アライナー型矯正装置
アライナー型矯正装置は、デジタル技術の進歩に伴い1998年にアメリカで誕生し、その審美性と利便性によって急速に世界的に普及しました。この技術は、従来のワイヤー矯正の敷居の高さを克服し、多くの患者様の矯正治療への抵抗感を減少させました。
アライナー矯正の普及は歯科医師にとっても変革をもたらし、専門性の高い矯正治療がより多くの歯科医師にとってアクセスしやすくなりました。しかし、セルフアライナーのような製品の出現により、治療へのアプローチは大きく変わり、簡便さから不適切な使用による問題が報告されています。矯正治療には専門的な知識と経験が必要であり、アライナーありきで行うアライナー矯正や患者様自身によるセルフアライナーの使用は慎重に行うべきで、適切な診断と専門家の監督が必要です。患者様も、治療選択にあたっては十分な情報を得て賢い判断をする必要があります。
当院では、アライナー矯正を含む全ての矯正治療を、患者様の安全と治療成果を最優先にして提供しております。専門的な判断と監督の下で、最適な治療計画を患者様にご提案し、治療を進めてまいります。
アライナー矯正誕生から20年以上が経過した現在見えてきたこと
矯正歯科のゲームチェンジャーとなった、アライナー矯正は矯正治療の普及に大きく貢献した一方、ニュースでもアライナー矯正にまつわるトラブルがしばしば見られることが増えてきました。
【アライナー矯正の主なトラブル】
- 矯正中に歯肉退縮が発生する
- 物が噛み難くなった
- 口元が出てきた
- いつまでも動かない(変化が感じられない
【アライナー矯正トラブルの原因は3つ】
- 矯正学の基本的な知識や技術経験の不足など術者側に原因がある場合
- アライナーの装着時間の不足など患者様側に問題がある場合
- アライナー矯正自体の性能に問題がある場合
日本矯正歯科学会が示しているアライナー矯正を行う施設基準と術者の資格
【施設基準】
- 側面頭部 X 線規格写真(セファロ)撮影装置を有していること
【術者の資格】
- 公益社団法人日本矯正歯科学会認定の認定医以上の資格を有する者
- 日本矯正歯科学会臨床指導医もしくは日本矯正歯科学会認定医
※ 臨床指導医とは、同学会の認定医を教育できる技術と知識を有する最高位の矯正歯科の専門医。
※ 認定医とは、学会指定研修機関(大学病院等)における矯正歯科基本研修修了の後、5年以上にわたり、矯正歯科臨床研修を修了した者。
アライナー矯正を成功に導く当院の考え
- 日本矯正歯科学会認定医以上もしくは、それに準じた研鑽を積んだ歯科医師の管理下で行うこと
- 側面頭部 X 線規格写真(セファロ)を用いた綿密な矯正診断を行う
当院では、院長の綿引が発案するDIP 法(特許申請中)を用いた非常に高度で再現性の高いAI搭載次世代型セファロ分析システムであるDIP Ceph(Dental Brain Inc.)を使用した非常に高性能なセファロ分析ソフトを使用しています。 - 各種移動ごとのアライナー矯正移動特性を理解する
- アタッチメントを効果的に使用する
- アライナー交換頻度を最適化する
- 戦略的なステージング計画を立案する
- エビデンスに基づく医療(EBMの4つの因子)
①患者の希望 ②研究エビデンス ③症状と環境 ④術者の経験
マウスピース型矯正装置
使用症例
case症例1
特別な事情で従来の矯正治療を敬遠してきた患者にも選択肢が広がったことは大きなメリットです。
- 初診時年齢
- 27歳
- 主 訴
- 出っ歯
- 抜歯/非抜歯
- 非抜歯
- 治 療 期 間
- 2年2ヶ月
- 費 用
- 90万円
- 治療の
リスク
及び副作用 - 歯の移動による痛み
装置が粘膜に当たることによる口内炎
ブラッシング不良による虫歯・歯周病の発生
国内薬事未承認装置
- 治療内容/
装置 - マウスピース型装置
マウスピース型矯正装置に
関するよくある質問
マウスピース矯正は、表側の矯正治療に比べると装置が目立たず人目を気にしなくていい利点があります。
しかし、その反面、治療を進める上での制約制限が多く厳密な咬合のコントロールが必要なケースでは治療のフィニッシュが不十分にならざる得ない場合もあります。まずは、ご相談ください。
また、以下の症例ではマウスピース矯正では歯が十分に動かない可能性があります。