舌側矯正とは?
究極の審美ブラケットとして1980年頃発表された方法がリンガルブラケットです。
従来は、非常にテクニックセンシティブで一般的に大学病院の矯正科では教育プログラムに無いことが多く、一部の矯正専門医が扱う極めて特殊な矯正装置の立ち位置でした。
しかし、2004年頃に発表された、コンピューター技術(CAD/CAM)を駆使したカスタムメイドのブラケットとロボットベンディングマシーンによって予めベンディングがされ供与されるワイヤーをパッケージした“インコグニート”の登場が裏側矯正アプライアンスの手法を広く普及させました。
その後、国内ではセルフライゲーション機構を持ったカスタムブラケットとベンディングされたワイヤーを提供するシステムを発表しました。
※一般的な治療期間は、1年〜3年(来院回数12〜36回)
いずれの舌側矯正システムにおいても、表側の矯正治療に比べて、制限が多いため、緻密な診断を基に作製されたセットアップモデルをベースにしたインダイレクトボンディングによってブラケットを装着することが基本となります。従って、いずれの舌側矯正システムであっても歯根の位置やボーンハウジングなどを事前に十分に考慮したセットアップが極めて重要となるため技工士との密接なラボコミニケーションが不可欠です。
コンベンショナル(従来型)舌側矯正
治療のメリット
- CAD/CAM裏側矯正に比べて、応用範囲が広い
- 信頼出来るパートナー技工士がいる事で、治療の完成度を高める事が出来る
- 表側矯正に比べて審美性が高い
コンベンショナル(従来型)舌側矯正
治療のデメリット
- 表側矯正システムに比べて、制限が多く、裏側矯正特有のフォースシステムを十分に理解する必要がある
- 矯正専門医であっても裏側矯正の知識や経験が十分ではないことが多い
- 信頼出来る矯正専門の技工士の存在が不可欠である
- 下顎の小臼歯抜歯症例など裏側矯正治療があまり向いてないケースも存在する
- 表の矯正に比べてブラケット位置の制約が大きく、ブラケットポジションはより歯肉に近く位置される為、歯周組織への慎重な配慮が必要である
コンベンショナル舌側矯正
アプライアンス使用症例
case症例1
このような、スリーインサイザーは機能的な咬合の構築が非常に困難であることが多いが、裏側矯正においても表側矯正のエッジワイズと遜色の無いフィニッシュが長期に渡り維持されているケースです。
- 初診時年齢
- 27歳
- 主 訴
- 出っ歯
- 抜歯/非抜歯
- 上顎左右4番抜歯
- 治 療 期 間
- 2年8ヶ月
- 費 用
- 120万円
- 治療の
リスク
及び副作用 - 歯の移動による痛み
装置が粘膜に当たることによる口内炎
ブラッシング不良による虫歯・歯周病の発生
- 治療内容/
装置 - 裏側矯正
リンガルブラケット矯正装置
(インコグニート、ハーモニー;
完成物薬機法対象外)の
メリット
- メーカー推奨のマニアルやサポートがあり安心感が高い
- なれていない矯正医や技工士による初歩的なテクニカルエラーを避けることが出来る
リンガルブラケット矯正装置
(インコグニート、ハーモニー;
完成物薬機法対象外)の
デメリット
- コンベンショナルな舌側矯正に比べてコストが高い
- 海外で製作されたカスタムメイドの矯正装置であるため、国内の法的問題から、患者説明や扱いに十分な配慮が必要である
- 原則セットアップがパッケージングされておりその治療後のクオリティーに問題が生じる場合もある
- 治療途中での歯の位置の微調整や治療計画の修正への対応が困難である
- 納品に時間がかかる
case症例2
このような、スリーインサイザーは機能的な咬合の構築が非常に困難であることが多いが、裏側矯正においても表側矯正のエッジワイズと遜色の無いフィニッシュが長期に渡り維持されているケースです。
コンベンショナルな裏側矯正では、信頼出来る矯正技工士によって緻密なセットアップモデルを作製することで緻密な治療計画とコントロールが可能です。
- 初診時年齢
- 21歳
- 主 訴
- 叢生
- 抜歯/非抜歯
- 上下顎左右4番抜歯
- 治 療 期 間
- 2年6ヶ月
- 費 用
- 80万円
- 治療の
リスク
及び副作用 - 歯の移動による痛み
装置が粘膜に当たることによる口内炎
ブラッシング不良による虫歯・歯周病の発生
- 治療内容/
装置 - マルチブラケット
歯科矯正用インプラント
スクリューを用いた
矯正に関するよくある質問
歯科矯正用インプラントスクリューを用いた矯正によって、従来困難であった歯の3次元的移動が容易に出来るようになりました。その結果、矯正治療期間が従来の方法に比べて短縮される可能性もゼロではありません。
しかし、コルチコトミーのように歯の移動速度そのものを促進させる治療方法ではありません。
歯科矯正用インプラントスクリューを用いた矯正は、患者さんが自ら望んで行う治療法ではありません。基本的には、矯正医が矯正診断の結果、矯正治療上必要な場合に限り使用します。